

日付:2026/10/8(木)
場所:新田公民館
主催:新田尚歯会
講師:井上 祥 院長

医師と地域の高齢者をつなぐ在宅医療講演会
秋晴れの気持ちのよい日、新田公民館にて、
新田尚歯会主催の「そこが知りたい!在宅療養」(在宅医療普及啓発活動)の講師を井上祥先生が務めました。
対話から始まる、みんくるカフェの時間
講演会は、一方的に話を聞く講義形式ではなく、参加者と講師が対話を重ねる「みんくるカフェ形式(グループワーク)」で行い、
参加者同士が顔を合わせ、講師に直接質問できる場をつくりました。
今回も、井上先生から訪問診療について説明があった途端、次々と質問が飛び出しました。
「訪問診療と往診はどう違うの?」「通院から訪問診療に切り替えるタイミングは?」「高齢の親が突然、急変したらどうすればいいの?」。
どれも、いざというときに誰もが抱きそうな、切実な疑問ばかりです。
白衣を脱いだ医師と、地域の皆さんとのフレンドリーな会話
当医院のお膝元ということもあり、普段から通院されている参加者も少なくありません。
しかし、いつもの診察室とは違い、白衣を着ていない井上先生を囲んでの会話は、どこか和やかです。
参加者の皆さんが普段の口調で気軽に話しかけ、先生もそれに応じる。医師と患者という関係を超えて、
地域の住民と医師が一緒に考える、そんな光景が広がっていました。
中でも印象的だったのは、「診療時間中に具合が悪くなっても、先生は外来で忙しく、対応してもらえないのでは?」という質問です。
井上先生は、「8名の医師が在籍し、外来診療に加えて約700名の患者さんへの訪問診療を行っていること、
状況に応じて最も早く対応できる医師が訪問できる体制について説明されました。
さらに、夜間も交代で当直対応を行い、365日24時間対応できる訪問診療体制を目指している。
これが私の行いたい地域医療なんです」と話されました。
具体的な体制を交えた説明に、参加者の皆さんも感心した様子で耳を傾けていました。これも、対話を中心とした講演会ならではの良さです。
在宅医療で大切にしたい「自分で決める」ということ
井上先生が特に強調されていたのは、在宅医療における「自己決定」の大切さです。
病院での治療とは異なり、在宅医療では、どのような医療や介護を受けたいのか、どのような暮らしを続けたいのか、
ご本人の意思を大切にしながら支援を考えていきます。
医師の方針にただ従うのではなく、ご本人が自分の希望を伝え、医療・介護従事者と一緒に選択していくことが重要です。
ご本人が何を大切にしているのかを知り、その思いをできる限り尊重することは、在宅療養を支えるうえで欠かせません。
井上先生は、ご本人に寄り添いながら、その人らしい生活を支えることが医療・介護従事者の役割であると語られました。
在宅医療は、単に自宅で診療を受けることではありません。自分が望む暮らしを考え、周囲の支援を受けながら、自分らしく生きるための選択肢の一つです。
元気なうちから自分の思いを家族に伝え、いざというときに備えておくことの大切さも、改めて考えさせられる時間となりました。
これからも、医療・介護従事者と地域住民が互いに顔の見える関係を築き、一緒に考え、学び合える機会を大切にしていきたいと思います。

