

2026年6月19日
健康に役立つ日本のお茶の楽しみ方
~おいしいお茶が結ぶ、人と人とのつながり~
日本茶インストラクター
大川 英樹 氏
やまさ製茶株式会社
名古屋営業所 店主

今年の梅雨は曇り空の日が多いものの、雨は今日もひと休み。
本日も心地よい天候に恵まれ、21名の地域の皆さんにご参加いただき、お出かけサロンを開催しました。
新茶の香りがまだ楽しめるこの時期にお迎えした講師は、お茶のインストラクター・大川さん。
テーマは「健康に役立つ日本のお茶の楽しみ方」です。
講演は、工場での製造工程と職人による「手もみ」の比較動画からスタート。
画面いっぱいに映し出される熟練の手さばきや工程の丁寧さに、「こんなに手間がかかるんだね」と驚きの声が上がりました。
お茶の手もみは、蒸した茶葉を約6~8時間かけて丁寧にもみ上げ、香りや旨味を引き出す伝統技術とのこと。
現在では貴重な伝統工芸となっているそうで、昔の職人の技術の奥深さに感心するばかりでした。
さらに、お茶はお湯の温度によって旨味成分のテアニン、渋味成分のカテキン、苦味成分のカフェインの出方が変わるため、
自分好みの味わいを楽しめることも教えていただきました。
急須でゆっくり淹れるひと手間が、お茶本来のおいしさを引き出す秘訣だそうです。
会場では、焙煎の違うお茶の香りを楽しんだり、一番茶から三番茶までの飲み比べも行われ、
さらにお茶に合う和菓子までご用意いただくという心尽くしのおもてなし。
「やっぱり急須で淹れるお茶は違うね」と笑顔があふれ、会話にも花が咲きました。
また、飲み終えた茶葉にもミネラルが多く残っており、料理に活用したり脱臭剤として使えたりすること、
お茶缶の中ぶたは空気を遮断するために中へ押し込むのが本来の使い方であることなど、思わず誰かに話したくなる豆知識も満載でした。
印象的だったのは、「おいしいお茶を知ってほしい」という講師の熱意です。
急須でお茶を淹れる文化が少しずつ減る中でも、講演会や情報発信を続け、一杯のお茶がもたらす豊かな時間を伝え続けておられます。
その姿勢からは、お茶を通じて人とのつながりを育もうとする思いが伝わってきました。
便利さが優先される時代だからこそ、地域のお茶屋さんや身近なお店の存在は、私たちの暮らしに彩りと安心を与えてくれます。
おいしいお茶を囲んで語り合う時間は、心にもほっと一息つく余裕を届けてくれるのだと感じました。
人生も、お茶づくりも、一朝一夕にはいきません。丁寧に手間を重ねることで深い味わいが生まれるのは、どこか人付き合いにも似ています。
急須の中で茶葉がゆっくり開くように、地域のつながりも少しずつ育んでいきたいものです。
そして最後に覚えた言葉遊びを一つ。「人生もお茶づくりも、“お茶の子さいさい”とはいかないけれど、そのひと手間が一番おいしい。」
そんな温かな余韻を残して、お出かけサロンは笑顔のうちに幕を閉じました。

