


2026年3月20日
畑から食卓へ!冬ピーマンのひみつ
生態系を活かす農業―益虫とともに育てる安心・安全な作物
花曇りのやわらかな空のもと、地域交流会を開催し、17名の皆さまにご参加いただきました。
今回の講師は、祖父江町の近藤農園2代目・近藤さん。テーマは、ちょっと意外な「冬のピーマン」です。
一般的にピーマンといえば夏野菜ですが、近藤農園ではなんと11月から7月まで収穫できる“冬ピーマン”が主役。
ハウス内では人の背丈を超えるほど苗を伸ばし、約6,000〜9,000本もの苗を丁寧に栽培されています。
ピーク時には1日2トンの収穫量というから驚きです。
その裏側には、想像以上の重労働があります。特に5月の定植時期は作業が集中し、かなりのハードワーク。
近藤さんのたくましい体つきが、その苦労を物語っていました。
とはいえ、ご家庭では「作っているのに食べる分がない!」と奥様のぼやきもあるそうで、
会場は思わず笑いに包まれました。
栽培のカギは「苗づくり」。ピーマンの出来の8割はここで決まるとのこと。
根がしっかり張り、茎が太く、背丈が低い苗が理想だそうです。
また、「ピーマンは油との相性が抜群。ぜひ良い油と一緒に」と、すぐに試したくなる食べ方も教えていただきました。
会場では、「種なしピーマンはなぜ連作できるの?」「色が変わったピーマンは食べられる?」等など質問が次々に飛び出し、
尽きることがありません。参加者の関心の高さが伝わる時間となりました。
さらに、近藤さんはオランダをはじめヨーロッパの農業も経験。大規模で効率的なハイテク農業の一方で、
環境への負荷の大きさも実感されたそうです。
近藤農園ではその経験を踏まえ、土壌を有機的にリセットしながら、
自然に寄り添う栽培を実践。害虫対策にはテントウムシなどの益虫を活用するなど、小さな命の力も借りています。
とはいえ、アブラムシを素通りするテントウムシや、ミツバチを狙うカマキリの話には、思わずほっこりする場面もありました。
近藤農園のピーマンは地元スーパーで購入できます。
日々の食卓に並ぶその一つひとつの野菜の裏には、手間と工夫、そして自然との丁寧な対話があります。
地産地商の大切さや、地域で支え合う温かさを改めて感じる交流会となりました。
かつては八百屋さんが生産者と消費者をつなぎ、こうした話を直接聞く機会もありましたが、
現在はスーパーでの非対面販売が主流となり、その背景が見えにくくなっているのは少し寂しいものです。
だからこそ、こうした場の意義はますます大切になってきます。

