


2025年12月15日 ~ 2026年2月17日
介護職員初任者研修 講師派遣!!
異文化・多言語環境における教育実践の現状
― ネパール人受講生への指導工夫と課題―
2025年12月から2026年2月までの約3か月間、週3日のペースで、
医療法人 翔樹会より株式会社ヒューマンクリエーション主催の介護職員初任者研修へ講師を派遣いたしました。
受講生は入国間もないネパール人13名であり、言語的・文化的背景の違いを踏まえた丁寧かつ実践的な教育支援が求められる研修となりました。
研修前半は講義中心の座学で実施。介護に関する専門用語は難解な日本語や漢字表記も多く、
受講生はスマートフォンの翻訳機能を活用しながら学習を進めていました。
ノートには日本語をひらがなで書き起こし、それを英語に変換し、最終的にネパール語で整理するなど、
多段階の理解プロセスを経て知識を定着させようとする姿が見られました。
しかし、言語的負荷は大きく、当初は緊張した表情も多く、理解度のばらつきも顕在化していました。
これを受け、講師陣はやさしい日本語による説明、視覚教材の積極活用、具体例を交えた解説、反復確認の時間確保など、多面的な工夫を実施しました。
一方的に教えるのではなく、質問を促し、対話を重ねる姿勢を意識しながら授業を進行しました。
後半の介護技術演習では、「見て理解する」「体験して覚える」学習機会を重視しました。
移乗介助や体位変換など、現場で即活用できる技術について、段階的なデモンストレーションと繰り返し練習を行いました。
受講生同士の協働学習も促進し、互いに確認し合う環境を整備しました。
その結果、徐々に発言や実践行動が増え、主体的に学ぶ姿勢が顕著になりました。
何度も繰り返し練習する姿は真剣そのものであり、講師もその熱意に応える形で惜しみなく指導を行いました。
当法人においても教育体制は発展途上であり、決して十分とは言えません。しかし、明確な教育理念のもと改善を重ねています。
現代の教育は「教える」から「学ぶ」へと転換しています。行動主義や認知主義を経て、現在は学習者が体験を通じて知識を構築する構成主義、
さらには他者との相互作用の中で意味を形成する社会構成主義へと重心が移りつつあります。
社会構成主義では、講師が正解を提示する存在ではなく、学習者と共に考え、対話を通じて理解を深める伴走者となります。
評価軸も知識の記憶量から「現場で活用できるか」という実践的能力へとシフトしています。
本研修においてもその実践を試みましたが、現状は理想に十分到達しているとは言えません。
言語的制約や時間的制約の中で、依然として講義中心の場面が残っていることも事実です。
本講師派遣を通じ、異文化教育の難しさと同時に、社会構成主義的アプローチの可能性を強く認識いたしました。
今後は対話型学習や振り返りの時間をさらに充実させ、学習者が主体的に意味を構築できる環境づくりを推進してまいります。
理想にはなお距離がありますが、持続的な改善を重ね、実践的かつ相互的な教育の実現を目指してまいります。
最後に、今回の受講生が本研修を通じて学ぶことの大切さを改めて実感し、今後それぞれの現場において主体的に成長していくことを期待しています。
あわせて、自らを律し、努力を怠ることなく、基本を大切にしながら日々研鑽を重ねていかれることを心より願っております。
