


旧尾西地区サービス事業者連絡会 研修会
2026/2/18 (水)
利用者の行動変容を促す支援アプローチの必要性
旧尾西地区サービス事業者連絡会では、3年ぶりとなる研修会を開催いたしました。
参加は18事業者22名であり、地域における介護予防・自立支援への関心の高さが改めて確認されました。
本研修では、講師に医療法人泰玄会の理学療法士 高木雅康氏をお招きし、一宮市独自の介護予防事業「元気塾」について、
制度趣旨、対象者要件、併用利用ルール、利用期間、実施状況ならびに成果と課題に至るまで、包括的なご講演をいただきました。
元気塾は、事業対象者および要支援1・2を主な対象とし、原則として通所介護との併用は不可、一方で通所リハビリとの併用は可能とされています。
利用期間は6か月と定められ、その後の再利用には1年以上の間隔を空ける必要があります。
制度設計上は、修了後に地域活動や自主的な健康づくりへ移行し、保険給付からの段階的離脱を目指す構造となっています。
しかしながら、現状としては修了後も通所系サービスの利用へ移行する事例が多く、
自主トレーニングの継続実施に至らないケースが一定数存在することが報告されました。
専門職の視点からは、運動・知識の獲得が行動変容へ十分に結びついていない実態に対する課題意識が共有されました。
本研修を通じ、制度運用上の課題のみならず、利用者側の意識構造についても検討の必要性を感じました。
わが国では「保険料を負担している以上、利用可能なサービスは活用する」という権利意識が先行しやすく、
自己管理・自己マネジメントの定着が難しい傾向が示唆されます。一方で、海外の先行事例では、
自律性を基盤とした健康管理や「必要な部分に限定して支援を受ける」という考え方が浸透し、生活満足度・幸福度の向上につながっている事例もあります。
介護・医療の必要性が生じた後も、住み慣れた地域での生活継続を実現するためには、
制度活用と同時に自律心の維持および自己管理能力の強化が不可欠です。
加えて、行政・保険者からの「過度な依存を抑制し、自律性を高めることが幸福度向上につながる」という視点の説明・啓発が十分であるかについても、今後の検討課題であると認識いたしました。
講演後の質疑では、通所介護事業所管理者より元気塾の運営および報酬体系に関する具体的な質問をされていました。
保険者側は給付設計上の制約、事業者側は採算性確保という双方の課題を抱えており、結果として参加促進が難しい構造的課題、いわゆる「低報酬・低参入」の悪循環が指摘されました。
これらの解決には、個別事業者の努力のみならず、制度設計、評価指標、地域連携の再構築を含む包括的な対応が必要であると感じました。
今後、本連絡会としては、本研修で得られた知見を踏まえ、
①利用者の行動変容を支える支援の高度化、
②行政との情報共有・課題提起、
③事業者間連携の強化を重点課題として取り組んでまいります。
なお、本研修会は尾西信用金庫様のご厚意により大会議室をお借りして開催いたしました。
ここに厚く御礼申し上げます。
尾西地区介護サービス事業者連絡会 事務局
医療法人 翔樹会 井上内科クリニック 地域医療介護連携室

